- 2020.03.02
- 【重要】中止したデートDV防止スプリング・フォーラム2020大会宣言に代えて
大会宣言に代えて
今年のフォーラムも大変充実した内容で、深い学びを皆さまと共有できるものと期待していましたが、コロナ・ウィルス感染拡大防止のため残念ながら急遽中止となりました。
参加申し込みをしてくださった皆さま、ご登壇予定だった皆さま、運営にご協力くださることになっていた皆さまに深くお詫び申し上げます。
今年のスプリング・フォーラムの重要なテーマは「性的同意」でした。大学生の皆さんからの「性的同意を文化にしよう」というメッセージは、私たちの心を揺さぶるものです。若者たちによる性的同意を文化にする運動は、若者たちによるデートDVをなくす運動でもあるからです。
今年のフォーラムのほかの重要なテーマとしてSDGsがあがっていました。SDGsは、国連サミットで採択された、2030年までにすべての国が達成すべき17のゴールです。そのゴールに向かうプロセスは、従来の考え方・やり方を変える社会変革のプロセスといわれています。中でも「男性中心の意思決定システム」、「女性に差別的な法律・制度・慣行」、「固定的な性別役割分業」の変革はSDGsの要です。
日本はジェンダー・ギャップ(社会進出における男女格差)が大きく、平等への進み具合が世界153か国中121位という情けない地位に甘んじています。ジェンダー不平等の社会構造の中で生きるすべての人々に、固定化された性別役割意識とその規範が大きな負の影響を及ぼし、デートDVやDV、性暴力などが起きています。子どもたちをそれらの加害者にも被害者にもさせない方法は予防・防止教育しかありません。
同じくフォーラムのテーマだったLGBTQ+などへの(性自認や性的指向に関わる)差別や排除をなくすことも、性的同意を文化にすることも、デートDVの予防・防止教育を進めることも、すべて、社会的変革のプロセスであるといえます。SDGsの実施原則として、誰一人取り残さないこと(leave no one behind)を誓っており、17のゴール・169のターゲットにおいてもジェンダー主流化が重視されています。
今後、私たちが日本の社会に向けて、これらの国際的な視点を入れた「デートDVの予防・防止教育」とはどのようなものなのか、どう実現していくのかについて具体的なエビデンスをもってその効果を示すことができれば、持続可能な開発目標SDGsのゴールへの突破口となります。
私たちの活動は、DVのない社会、一人ひとりが個人として尊重され、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会を実現すること(男女共同参画社会基本法前文より抜粋)であると確認し、さらに力を合わせて進みましょう。
2020年 3月 1日 デートDV防止全国ネットワーク理事会
- ライター:notalone