- 2018.12.14
- 2018/12/14 朝日新聞「ひと」欄に紹介されました
「デートDV防止全国ネットワークを設立した」阿部真紀さん(57)
「デートDV」という言葉と出会って15年。防止活動に努める仲間に声をかけて全国ネットワークを設立、11月にNPO法人化した。
事務局長として多くの子どもに予防教育と届けたいと意気込む。デートDVは、恋人間に起こる暴力。10代カップルの3組に1組にあるといわれる。
身体的な暴力だけでなく、精神的な支配、行動の制限なども含まれ、性暴力や望まない妊娠につながる。「すべての人に暴力を受けないで生きる権利がある。好きな人であっても『いやだ』と言っていいことを伝えていきたい」
約20年前、米国発祥のCAPと呼ばれる子どもへの暴力防止プログラムの存在を知った。
みんなに「安心して自信をもって自由な気持ちでいる権利」があり、いやだと思うことがあれば声をあげていいことなどを教えるものだ。当時は、大学卒業後に商社勤務を経て結婚し、専業主婦をしていたが、「母でも妻でもなく、できることを必死で探していた」。
その思いに暴力防止活動が突き刺さった。研修を受け、地元の神奈川県でNPOを立ち上げ、学校などで年数百回、暴力防止のためのワークショップを続けてきた。今月、これまでの実践をまとめた「暴力を受けていい人はひとりもいない」(高文研)を出版した。
「私も含めだれもが暴力には無縁でない。なくす努力をしたい」
文・大久保真紀 写真・山本和生
- ライター:notalone